「……っ」 図星だったのか、千智は口を閉じて黙ってしまう。 利用するために俺を呼んだらしい。 「そんなことしても意味ねぇだろ」 「じゃあどうすればいいの、あたしを見捨てないでよ颯斗…」 泣いて、俺に身を寄せる千智はきっと、隆二という男を思い浮かべてることだろう。 「……今の彼氏のこと、好きなんだろ」 「…っ」 「それならちゃんと…」 自分の気持ちを伝えて、話すべきだと。 そう口にしようとしたのだが、鞄の落ちる音が近くで聞こえたため、そこに視線を向ければ───