「どうしてあの時隆二を選んだのかな。そしたら今も、颯斗と幸せに過ごしていたかもしれないのに」
「……どうだかな」
「自業自得だよね…だってあたし、颯斗と別れる前に隆二と付き合う約束して、キスもしたの」
千智が浮気を認めたことにも驚いたが、さすがにそこまでは聞いていなかったため言葉を失ってしまった。
すでにキスまでしていたのか。
だが不思議にも胸は痛まない。
少し前までの俺は、ズルズルと引きずっていたというのに。
「怒ってる?」
「……実は結構引きずってた」
「えっ、嘘」
「別れてからずっと。
良晴には何回バカって言われたか」
「良くんに?
だいたい想像つくかも」
涙で目が潤んでいる中、千智がふっと微笑んだ。



