「あたしね、隆二と別れるかもしれない」
近くの自販機で飲み物を買って、ベンチに座るなり。
少しだけ落ち着いた様子の千智がそう言った。
「喧嘩して、浮気されたの。問い詰めようとしたら、『先にお前が浮気したんだろ』って変な言いがかりつけられて」
「…それは災難だな」
「……思えばあたしたち、喧嘩してもすぐ仲直りしたよね」
「そうだっけ?」
「いつも颯斗から謝ってくれた。
颯斗はまったく悪くない時も」
言われてみればそうかもしれない。
そもそも千智に対して怒りを抱いたこと自体なかった気がする。
いや、あるとすればあの別れ方くらいか。
別れる前にはもう隆二と関係を持っていたのだ。



