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「氷野が不安?」
「そうそう、颯斗のせいでな」
昼休み。
良晴に食堂へ行こうと誘われ、そこにやってきた。
弁当を持ってきていた俺はジュースだけ買い、オムライスの大盛りを頼んだ良晴と向かい合って座る。
少し食べ進めたところで言われたのがそれだった。
特に何かした覚えはないのだが、氷野が俺に対して不安を抱いているらしい。
「なんでだよ」
本当に氷野が言ったのかと信じられなくて、理由を聞きます。
「彩乃が言ってたけど、颯斗って氷野ちゃんに“好きだ”って言葉にしてないのか?」
「……っ」
思わず口を閉じてしまう。
まさに事実だったからだ。
氷野と“付き合う”と言っただけであり、好意を言葉にしたわけじゃない。



