なんとなく先輩の目的はわかった。
恐らく、というか確実に氷野狙いだろう。
瞬く間に広まった氷野の本性。
それを男たちが見逃すはずがない。
氷野を呼び出そうとするのは、先輩が初めてではなかった。
多くの男たちが氷野を狙おうとしたのだ。
「君、だよね。
一目でわかったよ、すごく綺麗だから」
氷野の存在感が大きいため、すぐに先輩はそばまでやってきた。
だが───
「……うるさい、邪魔しないで」
氷のように冷たいと言われていた氷野はまだまだ健在だった。
見知らぬ男に対しては、今のように冷たく鋭い視線を向けるようだ。
さすがの先輩も怯えたようで、『他の女の子にしよーっと』なんて軽い口調のまま逃げていった。



