「くあー!!
羨ましいなぁ、颯斗!!」

「お似合いだからいいじゃん!」


教室に行けば良晴に羨ましがられ、黒河には祝福される。


「……高嶋」
「どうした?」

「颯斗って、私も呼びたい」
「……っ!?」


それはあまりに突然だった。

俺のシャツを掴みっぱなしの氷野が、突然そんなことを言い出したからだ。


「颯斗、すごくかっこいい名前」
「いや、まだ苗字呼びでいい」

「……颯斗って呼んだらダメ?」


首を少し傾けて、俺を見上げるその瞳。
上目遣いというものは、こうも破壊力があるものなのか。