夏休みが明けて1週間が経った。 いつも通り変わらぬ日常と言いたいところだったのだが、俺と氷野が付き合い始めたことは瞬く間に広まってしまった。 それもクラスだけではなく学校中に。 なぜなら─── 「高嶋、先に行かないで」 冷たいと言われていた氷野は何処へやら、学校でも堂々と甘さを見せている。 少しでも俺が先を行けば、今のようにシャツを掴んでピタリとくっついてくるのだ。