「…ん」
「氷野の求めてる答え通りだと思うけど」
少し遠回しな言い方をしたのだが、氷野は目を見開いた。
「そ、それって…」
震える声。
その後、恥ずかしそうに俯いた。
「高嶋、あの…」
弱々しい声の彼女を優しく抱きしめてみる。
相当恥ずかしかったようで、俺の胸元に顔を埋めてきた。
「好き、高嶋…」
「知ってる」
「高嶋の彼女になりたい」
離さないぞとでも言いたげに、ぎゅっと浴衣を掴まれる。
「ずっとこうしてたい、高嶋に触れてほしいキスしてほしい。高嶋じゃないとや…」
甘い甘い声にまた理性が飛びそうになる。
こんなにも乱されるのは初めてだ。
「……高嶋、何か言ってよ」
少し距離をあけて見上げてきた氷野の唇にまたキスを落とす。
今度は触れるだけの優しいもの。



