2度目のキスは、1度目よりずっと長く。
そして甘く。
唇を離した後、互いの額をくっつけて固まる氷野の頬を撫でる。
ゆっくりと状況を理解したのか、徐々に熱を帯びていく。
「……かわいすぎて困るんだけど」
「え、あ…」
キスされた。
その事実を受け止めたのか、真っ赤になる氷野の顔。
見た目は慣れてそうなのに、不慣れな彼女の照れた顔がたまらない。
「なんで…」
「無防備な氷野に非があると思うけど」
「私は何も…え……高嶋」
潤む瞳が俺を見上げる。
だからそれが無防備って言ってるのに。
「また、千智さんの代わり…?」
不安気に揺れる瞳。
ネガティブな思考に陥る彼女の唇を指でなぞってみる。



