「ああ、危ねぇ」
「バイトって怖いんだ…」
違う、そういう意味ではないが、そう捉えた氷野に否定はしないことにした。
「それに氷野が嬉しそうに受け取ってくれたほうが俺も嬉しくなるんだけどなー」
「……っ、高嶋」
「ん?」
「…ありがとう」
すぐ俺の言葉を鵜呑みにして、小さく微笑んだ氷野。
今すぐ触れたい衝動に駆られたが、コンビニの前だ。
そのような場所で今の表情はずるいと思いながらも、氷野とふたり公園に向かう。
彼女とそこに訪れるのは2度目だった。
1度目はあまり良くない、というか彼女にとっては思い出したくもないことかもしれない。
「結構疲れたね」
前回と同じベンチに座り、ジュースを飲んだ氷野は息を吐いた。
明るい雰囲気を放ちながらも、彼女自身疲労が溜まっていたようだ。



