ピュアな彼女の甘すぎる素顔





満員電車を切り抜けた後、俺たちの最寄駅で電車を降りる。

浴衣というものはあまり着ないため、少し疲れも出てきたのだが氷野は依然として明るい表情のままだった。


「……わかりやす」
「ん、高嶋何か言った?」

「別に、何かコンビニで買うか?」
「買う…!」


祭りでも結構食べたのだが、夏の暑さのせいか何か冷たいものが欲しくなる。

そのためコンビニで炭酸飲料を買った。
氷野はジュースを持っており、それも一緒に買う。


「高嶋に奢ってもらってばかり…」

そこまで奢った覚えはないのだが、お礼を言ってジュースを受け取りつつ少し不服そうな氷野。


「バイトしてるから気にすんなよ」
「そうだけど…あ、じゃあ私もバイトする!」

「いや何言ってんだよ、危ないからやめとけ」
「危ないの…?」


氷野だから危ない。
働く場所によっては男たちに狙われてしまう。