「……っ」 その時、突然氷野が俺に背中を向けてきた。 「あ、悪い…見過ぎだよな」 「……ジロジロ見ないで、変態」 結構厳しいことを言う。 だがそれほど見つめていたのだ、変態呼ばわりされるのも無理はない。 ここは反省して車窓からの景色を眺めることにした。 「今日も疲れたなぁ…毎日がだりぃ」 その言葉はもはや口癖のようになっていた。 毎日力なく過ごして2ヶ月ほど経った今、驚くほどに無気力な自分がいる。