冷たい無表情の氷野は俺を見ずに改札を通り、先々歩き出してしまう。
これは謝るべきかと悩みながらも後を追い、すぐにやってきた電車に乗り込んだ。
中は比較的空いていたのだが、座席までは空いておらずドア付近にふたり並んで立つ。
普段はひとりで電車に乗るため、隣に誰かがいることが違和感でしかない。
それにしても周りの視線が目立つ。
普段はあまり意識したことがないが、氷野がいることで周りの目を気にしているのだろうか。
これほど整った美少女なのだ、誰の目にも留まるはずだ。
肌も白いし顔とか小さすぎだろ。
誰もが恐れるほどの冷たい無表情のくせに、華奢な体はすぐに壊れてしまいそうだ。



