「高嶋、私たちはお好み焼き買ってくるからここで集合ね」

「ああ、わかった」


一度ここで別々のものを買うため、別れることにした。


「おじさん、焼きそばひとつ」

そして屋台のほうへと寄り、焼きそばをひとつ頼む。


「はいよ。おっ、これは美男美女のカップルだな。
サービスしてやるぞ!」

「……っ、ありがとうございます…!」


“カップル”という言葉に喜んだのか、突然氷野は明るい声でお礼を言っていた。


「カップル…高嶋と、恋人同士に見える?」
「さぁな」

「見える…高嶋と、恋人同士…!」
「おい、焼きそば持ってるから腕組むな」

「……ごめん」
「……っ」


そうやってすぐ落ち込む。
俺の一言でそこまで落ち込まれても困る。