「……ん」


落ち込む氷野を簡単に想像できたため、素直に手を繋いでやる。

すると嬉しそうに顔を綻ばせた彼女。


「高嶋、何食べる?」
「氷野が食べたいのでいい」

「じゃ、焼きそば食べたい」
「なら買いに行くか」

「うん…!」


氷野の雰囲気が明るく、俺の手をぐいぐい引っ張ってきた。


「やだ高嶋クン甘いねぇ」
「氷野ちゃんも嬉しそうだな!」


後ろからその様子を見ていたふたりに笑われたけれど、氷野のかわいさを前にして拒否するほうが難しいだろう。