ゆっくりと高嶋を見れば───
確かに固まってるように見えなくもない、けれど。
すぐにハッとしたような表情へと変わった。
「……氷野」
「は、はい…!
あっ、えと…お母さん行ってきます…!」
開いている扉から振り返れば、ニコニコ笑っているお母さんがいて。
高嶋の元に行けば彼はお母さんとお兄に一度頭を下げて挨拶をした後、私の手を引いた。
手…高嶋から手を繋いでくれた…?
夢のようで、なんだか泣きたくなった。
もちろん嬉し泣きである。
「高嶋」
「なんだよ」
あれ、少し不機嫌?
声のトーンがいつもより低い気がする。
「あっ、いや…手が…」
そう言いかけたところで口を閉じた。
もしここで手を繋がれたことを突っ込めば、離されてしまう気がして。
思わずぎゅっと握り締める。
高嶋の大きい手。



