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浴衣を着るのは今回で2度目。
黒地にピンクの花柄が目立つ。
「やっぱり美雪は黒が似合うわね〜」
浴衣の着付けをしてくれたお母さんは、鏡に映る私を見てそう言った。
どちらかといえばお母さんは明るく陽気で、笑顔の絶えない人だ。
私もお母さんみたいになりたかったけれど、寡黙で不器用なお父さんに似たのかもしれない。
お父さんは言葉足らずで誤解されることも多かったと、お母さんから聞いたことがある。
逆にお兄がお母さんに似たのだ。
明るく陽気であるお兄。
けれど少し壊れている部分もあるため、全部が全部お母さんに似ているとは言えない。



