ピュアな彼女の甘すぎる素顔




「なんでそんなこと聞くんだよ」
「別に、単に気になっただけ」

「へぇ。
人の恋愛事情に興味あんだ?」


良晴と違ってわざと傷つけるようなことを言っているわけではないだろう。

単なる興味に過ぎない。
が、できればその話をしてほしくない。


「長続きしてたんでしょう」
「まあもうすぐで3年だった」

「……うん、そっか」


別れたと明言したわけではないのだが、今ので伝わったのだろう。

少し気まずそうな空気をされるが、これを言わせたのは氷野自身だ。


「バカみたいって思うだろ」
「…………」

「こんなにも引きずって、女々しいなって」


俺は氷野になんて答えてほしいのだろう。
バカだって笑ってほしいのか。

惨めな自分を晒したところで恥しか残らないというのに。