というか無理して食べているように見える。
「絶対に氷野、もう腹いっぱいだろ?」
一度彼女と出かけた日にも、ラーメンを無理して食べていたことを思い出した。
作ってくれた人に申し訳ないとか言って食べるのをやめなかったのだ。
「…全然」
「嘘つけ、病人なんだから強がんな」
「強がってない…せっかくお兄が作ってくれたものだし、それに…」
チラッと照れくさそうに俺を見た後、俯いてまた口を開いた。
「高嶋が食べさせてくれるから…幸せなの」
恥ずかしながらも本音を言う氷野に、また手を出したくなる衝動に駆られるのはいけないことだろうか。
「無理はすんなよ」
「…しない」
理性というものを必死で保ち、平静を装うのに必死だった。
まあ隣で氷野の兄がいる手前、手を出すようなことはできないが。
そして氷野がお粥を食べ終え、薬も飲んだ後にまた横になった。
本人は寝るのを嫌がっていたが、それだと治らないと説得して寝かせることにしたのだ。



