案外表情に出さないだけで、周りともっと関わりたいという意思はあるのかもしれない。
「じゃあ一緒に帰るか。
氷野も電車か?」
「……っ、うん…」
ドキッとした。
ただの勘違いかもしれないが、氷野が嬉しそうなオーラを放った気がしたから。
ただ俯かれているためうまく表情を読み取れない。
「最寄りはどこ?」
「高嶋と同じ…」
「へぇ、そうなんだな。
朝見かけねぇのは時間帯が違うからか」
「多分そう。
あんたいつも遅いから」
「確かにギリギリだな」
早く行ったところで何もすることがないため、基本的にギリギリ登校をしている。
まあ遅刻したことは数回しかないし、この生活を変えるつもりはない。



