「……じゃあ、ここにきて良かったの…?」 また俺を気遣う言葉。 先ほど買ったジュースを飲むことはせず、俺を見つめている。 「早く忘れてぇからな」 「……え」 「元カノのこと引きずってても良いことなんてねぇからな」 自嘲気味に笑った俺に対して、氷野は辛そうに顔を歪める。 別に氷野がそんな表情する必要ないのに。 同情してくれているのだろうか。 純粋で真っ直ぐな人間だ、きっとそうだろう。 それなら─── ふと頭に浮かんだのは性格の悪い考え。 相手の同情心を利用してやろうと。