「氷野、帰らねぇの?」 「……っ、あんたもっ」 「俺が?」 「……帰り道、同じ」 それって…と言いかけたところで、ほんのり氷野の頬が赤く染まっているのが視界に入る。 懐かしい。 今でもこんな表情するんだなって。 小学校の時に何度か俺も動物の世話や水やりを手伝ったことがあるが、その時に『毎回続けてるのってすごいな』と褒めた記憶がある。 その時の彼女も今のように照れくさそうにしていた。 普段から笑わないやつだと思っていたため、こんな表情もするんだと今と同じようなことを考えた気がする。