「どうして連絡くれなかったの!
友達としてよろしくって言ったのに。
もしかして気を遣ってくれてるの?」
何に対してだ。
別れを切り出されたのに俺から連絡するだなんて、そんな惨めなことはしたくない。
普通に考えたらわかるだろ。
「颯斗って昔からずっと変わらないね。
だからこんな美人捕まえたんだ?」
ちらっと氷野に視線を向けた千智は、なぜか嬉しそうに笑った。
「さすが颯斗、あたしの自慢の元カレ!」
その時、自分の手を強く握りしめたのはほとんど無意識だった。
「ね、お互い吹っ切れてるんだしさ。
また友達として仲良くしようよ。
颯斗と昔の関係に戻りたいんだ、中学のみんなともギスギスせずに会いたいし」
きっと後者が千智の本音だろう。
自分だけが引きずっていてバカみたいだと思うのに、息がしづらく完全に敗者の気分だ。



