もし氷野と行けば、未練の場とならずに済むかもしれない。
良晴や黒河が言う通り、いつまでも引きずったところで仕方がない。
「……氷野」
「は、はい…!」
「じゃあその日───」
空けておくから。
そう口にする前に、ふと視界に入った向かい側の人物に思わず足を止めた。
「あははっ…!
待ってよ隆二!」
「早く歩けバカ野郎」
「あたしは悪くないー!」
よく考えたらここの駅周辺には若者が集まるような遊び場がたくさんあった。
そのため他校の生徒たちもよく集まるわけで、度々他校間での問題が起こるほど。
だから今目の前に───
千智がいることは、ただの偶然である。
それでも残酷ではないかと思ってしまう。



