「あら、やけに紳士的じゃないの高嶋クン」
「…帰る方向同じだし、夜道は危ないからな」
「じゃあ氷野ちゃんを女の子扱いしてるのね」
「そんなの当たり前だろ」
何わかりきったことを言ってんだ。
「だってさ氷野ちゃん。
これはチャンスしかないね!」
「そう、かな…」
気のせいだろうか。
氷野の目が輝き、希望に満ち溢れているように感じるのは。
「もう早くひっつきなさいよ焦れったい!
ほらリア充は帰った帰った」
「何言ってんだよ黒河」
「じゃあね、氷野ちゃん。
また連絡するから夏休み会おうね」
「うん…!ありがとう」
完全に俺の存在を無視してきた黒河に呆れつつ、一足先に氷野と駅へ向かう。
外は薄暗く、家の最寄りに着いた時には真っ暗になっているかもしれない。



