「もうこの際彩乃って呼んでくれていいから! 仲良くしよう!?」 「あっ、彩だけ抜け駆けとかずるい!」 「あたしもあたしも!」 すると突然黒河が氷野との距離を詰めようとしたため、先ほどまで静かだった女子も騒ぎ出してしまう。 その様子を見て最初は目を丸くしていた氷野だったが、しばらくすると─── 「……っ!?」 誰もが思わず息を呑んでしまうほどの、幼い笑みを浮かべた。 心からの笑みは自然で、小学生の時に見た彼女の笑顔とまったく同じだった。 氷野はこんな風に笑うのだ、と。