「あー尊すぎだろ」
なんて良晴も悶えていた。
その事実に氷野は気づいていないのだから、天然というか鈍感はタチが悪い。
それから少しして頼んだ品がやってきた。
俺がトングを持って焼こうとすれば、それを氷野に取られてしまった。
「私がやる」
「別にいいのに、そこまで気を遣わなくても」
「じゃないと高嶋ばっかり見るからやる」
今のは恥ずかしがらずに言えるんだ。
言われたこっちが恥ずかしくなるのだが。
「どうしてこんなにも純粋に育つの…かわいすぎる」
「…黒河さん?」
氷野を見てため息を吐く黒河の気持ちがわからなくもない。
俺だって何度ため息を吐きたくなったことか。



