「じゃあ高嶋、ハラミかカルビどっちがいい…?」
トングを持ち、焼く気満々の氷野を前にして今更断れない。
「他はねぇの?」
「他はね…えっと」
テーブルの上にはカルビとハラミ以外、サラダなどのサイドメニューばかり置かれていた。
そのため他に肉がないのは知っていたが、つい反応が見たいがために聞いてしまう。
「この中から選べば…」
「ふっ、それでメニュー表?」
思わず漏れる笑み。
他の肉がないためメニュー表を取り出したからだ。
「うん…」
「じゃあ何頼もうかな」
「ここはタンが有名なんだって」
「へぇ、じゃあそれ分けるか」
「私と高嶋で?」
「嫌か?」
わざと聞き返せば、首を横に振る氷野。
いちいち反応がかわいい。
心くすぐられるのだ。



