「じゃあ決まりだな!
おい今日焼肉行こうぜ!」

「えっ、行きたい!」
「さすが良晴だな!」


良晴のひと言であっという間に参加者が増えていく。

そんな中、突然黒河が俺に近づいてきたかと思えば───


「ねぇ高嶋」
「どうした?」

「氷野ちゃん、誘ってきてあげて」
「……は?」


氷野の名前を出すものだから、一瞬で静かになる教室。

いくら氷野の印象が変わってきたとはいえ、ここ数週間だけではうまくいかないようだ。


その空気感が氷野にも伝わったのか、突然彼女は立ち上がり教室を後にしてしまう。