すると嬉しそうな顔をする氷野。
わかりやすい反応である。

それほど俺を好きでいてくれてるのか。


あまりにも純粋でまっすぐな想いをぶつけられ、戸惑いはあるが正直心地いい。

一途な好意に対し、嫌な気持ちになるはずがない。


氷野は俺の指と絡めてきて、恋人繋ぎをしてくる始末。

そんな彼女は口元を綻ばせていたのだから、振り払おうにも振り払えない。


が、少し経ったところで我に返ったのか、ハッとして突然手を離してきた。

さらには顔を真っ赤にしている。


無意識のうちに恋人繋ぎをしたというのか。

両手で顔を隠して恥ずかしそうにする氷野の姿を見て、正直かなり心臓にキテいる。


なんだこのピュアな生物は。

この世の生き物で最も純粋な人間なのではないかと錯覚してしまうほどだ。