思わず振り返れば、そこには俺たちのほうへ駆け寄ってくる氷野の姿があった。
「美雪!もしかしてお兄ちゃんを探して…」
「高嶋っ…ごめん、大丈夫だった?」
氷野は完全に男を無視して俺の目の前で止まる。
もしかしてこの男が───
氷野のお兄さんなのか?
確かに氷野と並べば、誰もが騒ぐほどの美男美女の完成である。
「俺は別に…」
「ごめん、本当…お兄からメッセージに気づくの遅くなって…」
「美雪、何言ってるんだ美雪は何も悪くないぞ。な?」
驚くほど声が優しくなり、氷野に寄り添う彼女の兄。
しかし氷野は冷たく睨むだけだった。



