「そういや彩乃は怖がってないのな、氷野ちゃんのこと」
「もちろんよ、何かされたわけでもないし。でも近づくなオーラが放たれてるから中々ねぇ…って、待って。今、良くん氷野さんのことちゃん付けで呼ばなかった?」
「ああ、呼んだぞ」
本当に良晴は最低だ。
こんなにも早く認めてしまうとは。
「え、なになに進展してる感じ?」
「そりゃあまあ、そんな感じ」
お前は別に進展してねぇだろ。
いや、俺も進展しているわけではないが。
「えーっ、いいなぁ。
私もお近づきになりたい進展したい」
「意外といけるぞ、何てったって氷野ちゃんは…」
また良晴が何かを言いかけた時、タイミングよく氷野が教室にやってきたところで皆口を閉じた。
冷たいと感じる無表情で氷野は教室に入ってきたのだが、ふと鞄に視線がいく。
「……っ!?」
危ない、思わず声が出てしまうところだった。
なぜなら氷野の鞄には俺が昨日取ったぬいぐるみのストラップがつけられていたからだ。



