「いいだろ別に」
「ダメに決まってんだろ」
「なになに、そこまで言っといて話さないわけ?
てか氷野さんの名前だしてなかった?」
ギクリとしたのはふたりともである。
まさか氷野の名前を拾われていたとは。
「すごく気になるんだけど。
だってあの美人で謎めいた氷野さんのことだよ?
本当に絶世の美少女だよね、ほとんどメイクしてなくてあれだもん。羨ましすぎ」
なんて言いながらも、勝手に俺の隣の席に座り出した。
「氷野さんとお近づきになりたいなぁ。あのサラサラな髪触りたいし、匂い嗅ぎたいし微笑まれたい」
元々美男美女が大好きな黒河なのだが、今の願望は少しズレている気がする。
いや、気がするではなくズレているのだ。



