「じゃあ高校も違ったらどうしてた？」
「……それはない」
「なんでそう言い切れんだよ」
「だって高嶋がここ受けるって知ってたから」
「……は？」
思わず言葉を失った。
氷野の言葉を素直に受け止めれば、それはストーカーというものでは───
「小学校からの友達が高嶋と同じ中学で…実は私の第2希望がここだったの。
それを聞いた友達が『高嶋はそこだよ』って言ってて、変更した」
まさか俺と同じ高校に来るため志望校を変えた？
氷野がそこまでしていたとは考えておらず、驚きを隠せない。
「……引いた？」
「あ、いや…まあ、もっと上行けただろとは思う」
常に学年一桁なのだ、この高校にいること自体もったいない。
