今日初めてのデートらしい場所である。


「いただきます」

氷野は席に座るなり早速スプーンでアイスを掬い、口へと運んだ。


千智ならまず写真を撮ってSNSにアップしてんのになと思ったり。

氷野は純粋に目の前のアイスを楽しんでいるのだ。


嬉しげに笑ってアップした写真を俺に見せてきた千智の笑顔もまた無邪気でかわいいものだったが、こっちはこっちで千智とは違ったかわいさがある。

なんて、何いつまでも元カノのことを考えてんだ。
さらには元カノと氷野を比べてしまうという始末。