やってきたのはテレビCMなどで有名なアイス専門店。

よく千智とも行っていた場所だ。


ここに氷野を連れてきたのはデートという目的でもあり、もしかしたら上書きしたいという悪い考えも自分の中にあったかもしれない。



「私キャラメルが良い」

ショーケースに入っているアイスを眺め、あっという間にどれにするのか決めたようで。


「ひとつだけでいいのか?」
「えっ…」

「2個でも3個でもいいんだぞ?」


お詫びと言ったのだからそれぐらいはするつもりだ。


「じゃあ、あとラムネも」

やっぱり最初は気を遣っていたようで、結局2個頼んだ氷野。

俺も同じで2個頼み、店内にあるテーブルに向かい合って座った。