それからしばらくして俺は食べ終わったのだが、氷野はまだ食べている様子。 暑いのだろう、長い髪を後ろで束ねている彼女はいつもと違う雰囲気である。 後ろで束ねただけでも幼くなったように思えた。 思わず食べている姿に魅入っていると、俺の視線に気づいたのか氷野が照れくさそうにこちらを向いた。 「そこまで見ないで…恥ずかしい」 少し汗ばんでいる姿が妙に色っぽくて、ついついドキッとしてしまう。 これが男というものか。