「……高嶋」
「どうした?」
「その…私は高嶋とならどこでもいいと思ってる」
「……は?」
まさかの言葉に思わず隣を見る。
氷野は照れくさそうにしながらも、俺の目を見つめていた。
「だから、さっきの人の話は気にしないで…フレンチレストランでも高嶋がいなきゃ行きたくない」
「……っ!?」
まるで急所を狙われたようなこの感じ。
あまりの純粋さに己を恥じたくなる。
「今もこうして高嶋とご飯食べられて幸せなの」
やばい、本気で胸が痛い。
何だこの罪悪感は。
嫌われようとすればするほど自分が惨めに思えてくる。



