「本郷くんは行くよね!」
「もちろん」

ノリノリの良晴に呆れながらも、今日はバイトのシフトが入っていないかと頭の中で確認する。


うん、残念ながら今日はフリーだ。

バイトを言い訳にして断ればいいかと思いきや、一度それでバイト先に来られたことがある。


つまり“バイト”を言い訳にできなくなった俺は、良晴に無理矢理誘われて行くオチなのだ。



「てことで颯斗も行く…」
「ねぇ」

ため息を吐きつつ頷くしかない。
そう思っていた時、突然近くからの冷たい声が耳に届いた。


俺の周りにいた女子だけでなく、良晴や俺までもがその場で固まってしまった。

間違いない、この声の主は氷野美雪である。


ゆっくりと顔を上げる。
すると冷たい眼差しが俺に向けられていた。

一瞬ヒヤリとしたが、すぐに言葉を返した。