「高嶋?」
「あっ、悪い…これはな」
結局氷野に買い方を教えると、彼女は醤油ラーメンセットのボタンを押していた。
そんな華奢な体の割によく食べるんだと驚いた。
そんな中俺も腹が減っていたため、とんこつラーメンセットを選んだ。
その後カウンターの席に行き、店主に食券を渡す。
「えらい美女をよくここに連れてきたなぁ」
店主は俺の顔を覚えているようで、氷野を見るなり驚いて固まってしまった。
「まあ、本人も嫌がらなかったんで…」
「そんなこと言ったって、本当はフレンチレストランのほうが良かったよなぁ?お嬢ちゃん」
「……別に」
氷野はいつものように冷たい声を放ち、睨むように店主を見上げていた。
その鋭い目つきに怖気付いたのか、店主はすぐさま奥へと入っていく。



