「やった…!」
取れた時は俺なんかよりも嬉しそうに声を上げていた氷野。
まずはひとつ渡し、そのあとすぐに取れたふたつ目も渡せば満足そうに手のひらに置いていた。
その表情が幼い子供のようで、不覚にもかわいいと思ってしまったのは秘密にしておく。
「……かわいい」
なんて嬉しそうに口元を緩ませている。
そんな顔もできんのかよ。
さすがの俺もその表情には胸が高鳴ってしまい、ダメだと思いつつ負けを認める。
「ありがとう高嶋」
「こんなやつもらって嬉しいのか?」
「こんなやつじゃない…高嶋とデートした証」
今もまだじーっとぬいぐるみを見つめているかと思えば。



