「さっきかわいいの見つけて…それ欲しいの」
その言い方といい、内容といい。
いちいち心臓に悪いから困る。
「ん、じゃあ行くぞ」
俺の言葉に安心したような表情を浮かべた彼女は、その台へと案内した。
それは手のひらサイズのキャラクターのぬいぐるみで、ストラップがついている。
鞄にもつけられるそれを氷野は欲しいようだった。
「これ、ふたつ」
二個要求した彼女の目は相変わらず輝いている。
それほど一目惚れしたのだろうか。
そのぬいぐるみは何種類かタイプがあり、別々の種類を取ろうと思った。
もちろん一度や二度で取れるはずがなかったが、何回もすれば感覚を掴み、意外と早く取ることができた。



