「何してんの?」 雨の中。 路地裏の壁にもたれかかって泣いていた。 立ち上がる気力もなかった。 目を開けて横を見ると私に傘を差し出してくれている男の人が一人。 「運命って信じる?」 「運命?」 突然聞かれて戸惑ったのだろう。 無言が続く。 「信じる…時もあるかな」 そんなどうでもいい会話に少しだけ心を救われた。 誰かに構って欲しかった。 この苦しみを分かってほしかった。 高校一年生初めてのクリスマスは灰色でした。