その2人の会話に声を上げて笑うマリアに
少し嫉妬した。
今までなら気にならなかったのに
俺の心はどんどん狭くなる。
「そろそろ帰る?時間遅いし。」
俺がそう提案するとカズだけが帰り支度を始めた。
「マリア帰んないの?」
「うん、タカの家泊まってく。」
「...そう。」
それ以上何も言えなかった。
マリアが嬉しそうに
タカの方を見ながら返事をするから
俺が見たいものだけど
こんな形じゃない。
心が苦しかった。
「叔母さん、心配するぞー。」
せめてもの強がりで
小姑のような嫌味を言い残して
タカの家を出て行った。