そして結局勧められた屋上には行かず、またダラダラと流れて行く時間を過ごした。
いつの間にか、6時を過ぎている。
ふと、桜田さんの言っていた屋上が気になった。
いや、行く気はないけれど。
そのうち死にゆく人間が、そんな景色を見たところで、どうにもならないだろう。
そう思って、その日はもう眠った。
その日はドアのノックの音とともに目が覚めた。
「おはようございます!柊さん、珍しいですね。
いつも私よりも先に起きているのに」
どうやら、今日はいつもより遅かったようだ。
「少し寝坊しました、」
そう言って、苦笑いを浮かべる。
「ふふっ、じゃあ体温測りますね、」
相変わらずあたしは、しなくてもいいのになあと考えていた。
また今日も時間が過ぎて行く。

