『ままぁ!こっちおいでぇ!』

手を振って私を呼ぶ結実。

『結実!歩くの早いなぁ!』
『ママが遅いんだよぉ』
『遅いかぁ?』
『早く歩いて!夜なっちゃう!』
『ならないよ!まだお昼だし!』
『ママと遊ぶ時間なくなっちゃうでしょ?』

周りの子よりおしゃべりが上手で
最近は会話が成り立ってきて楽しい事が増えた。



『ママ!しゃぼんらま!』
『持ってるよ!フーする?』
『おいで!こっち座って!』

持ってきたレジャーシートも
意味なく芝生に座らされた私。

『結実ここにしゅわる!』

そう言って私の上に座った結実。

『おっ!もう少し優しく座ってよ!ママ痛い』
『きゃははっ!ごめんね?』

反省していないだろってくらい笑顔で謝る結実。
かわいくて許しちゃう。

『ママ!しゃぼんらま!フーして?』
『一緒にフーしようか?』
『うん!』

息を吹き込まれたストローからどんどん
しゃぼん玉が作られていく。

『きゃははっ!いっぱーい!』
『キレイだねぇ!』
『もっとつくろぉ!』
『作ろ!』
『ママ!フーして!』
『うん!』

ストローから出たしゃぼん玉を追いかける結実。

『きゃははっ!』
『結実転ばないでよ?』
『はーい!』

未熟児で生まれた結実。
一時期.無呼吸を繰り返していて
危ないかもしれないって言われた事もあった。
でも結実の成長が分かる度に
元気に育ってくれた事に感謝しかない。




しゃぼん玉して.砂場で山を作って遊んで
なわとびして.お菓子を食べて.ご機嫌な結実。

『ママ!ワンワンだぁ!』
『かわいいね!』
『大きい!』
『触ってもいいですか?』
『いいですよ!』

私がしゃがみこみワンちゃんを触ろうとすると
結実が背中の方に抱きついてきた。

『ママ!怖いよ?』
『怖くないよ?ほら!』

私はワンちゃんに触れた。

『結実も触ってごらん!』
『えぇ?』
『大丈夫怖くない!』
『ママも一緒に触ろう?』
『うん!いいよ!』

私は結実の小さな手に手を重ねた。

『わぁ!フワフワしてるっ!』
『かわいい?』
『かわいー!』
『んふふっ!かわいいね!』
『わぁ!ペロペロしてる!ぬれたぁ!』
『あらら!ごめんね?』
『かわいい!』

結実は顔を舐められた。

『きゃはっ!結実美味しくないよぉ?』

普段触れない大型犬に嬉しそう。

『またねぇ!』
『ありがとうございました!』
『いいえ!どういたしまして!』