そして私たちは教室を出て体育教官室に向かった

『どさくさに紛れて優月とか呼んだけどいい?』
『うん!ありがとう!』
『私の事も瑞希って呼んで!』
『うん!』
『担任は私のお兄ちゃん!』
『そうなんだね!』
『そう!何かとパシるって感じで!困るよね!』
『いいね!』
『そう?まぁ小さい頃は仲良かったんだけどね』
『今は仲悪いの?』
『前ほどよくないかな!前がよすぎたのかも!』
『そうなんだ!』
『優月はさぁ?兄弟とかいないの?』
『1人っ子!でも・・・娘はいるよ』
『娘?』
『うん!』
『へぇ?絶対かわいいよね?』
『うん!かわいいよ!』
『いいなぁ!うちの甥っ子とも遊ばせたいなぁ』
『お友達今少ないから仲良く出来たらいいな!』
『やったぁ!』

そんな話をしながら私たちは体育教官室へ来た。

『失礼します!』
『どうぞ!』
『駿璃ッ!』
『お前な名前呼びやめろよ!』
『なんで?』
『ここ学校だろ!バレたらお互いヤバいわ!』
『でも小さい頃こらそう呼んでたじゃん!』
『俺はもう教師なの!お前は生徒!』
『はいはい!』
『お!転校生の子!』
『はい!』

今の会話をこいて気まずそうな優月。

『あ!みんなには内緒だけど!』
『うん』
『お兄ちゃんの幼なじみで私の彼氏!』
『体育教師の稲森駿璃です!よろしく!』
『藤井優月です!よろしくお願いします』
『プロジェクターだろ?今連絡あった!』
『うん!プロジェクター!借りていい?』
『持てる?』
『全然行ける!』
『じゃあこれ!落とすなよ?壊れるからか!』
『それくらい分かってるから落とさないよ!』
『じゃあ気をつけて!藤井さんこのケーブル持ってくれる?』
『はい!』
『じゃあお願いします!』
『はい!』