なんで嫌いかって大きな危害を加えられた訳でもなんでもない。いや、加えられた。
後ろの席のアイツは授業に出る度、髪の毛を引っ張ってくるし色々ちょっかい掛けられる。普段は周りなんてどうでもいいって顔してて何考えてるかわからない。どうしてアイツがモテるのかわからない。

─真剣に授業受けてるのにあの余裕さは...

今日もアイツのちょっかい相手にされながら授業に出る。文句言いながらも諦めてしまった私が嫌になる。

千咲と颯太と合流して中庭のベンチでご飯を楽しく食べる。それが学校の中で3人で会える唯一の時間。

「優葉〜!今日も3人で遊ぼうよ!」

「いいね。僕は全然行けるけど優葉は?」

「ごめん2人とも!今日、新しいお父さんに会うんだ。」

「優華さん、再婚するんだ。おめでとう」

「ありがとう颯太。千咲もごめんね。遊べなくて」

「いいよ全然!じゃあ今度は優葉の家で遊んでいい?」

「わかった!約束ね」

私は急いで家に帰った。