「幽霊なんているわけないだろ?」

男性たちはそう言い、建物の中へと入る。廃墟というだけあって、中も外も荒れ放題だ。

「さて、今から二人ペアに分かれて探検な!!」

男性がそう言い、適当にペアが作られる。そしてバラバラに二階に行ったり、一階の部屋を見て回ったりし始めた。

「ん?この部屋、なんか鍵がかかってる」

一階のある部屋の前で、男性がガチャガチャとドアノブを回す。扉は固く閉ざされていて開く気配はない。男性は扉に体当たりを始める。

「やめようよ〜。怒られるよ〜」

女性が怯えるが、男性は「絶対、中に面白いもんがあるんだ」と体当たりを続ける。そして、扉が壊れて開いた。その刹那、廃墟に悲鳴が響き渡る。

埃の積もった床には、苦しげに顔を歪ませた女性の遺体が転がっていた。その首筋は何かに噛みちぎられた傷があり、血がついている。そして部屋の中を一匹の大きな蛇がゆっくりと移動していたのだった。