玄関の小窓から背伸びをして俊の車を待つ。

ーーあと、5分くらいかーー

ーー忘れ物…ないよね?ーー

何回ツバを飲み込んだかわからない。

違う車にも反応して、全てが俊の車に

見えてくる程だ。

いつもより凄く遅く感じる1分。

秒針の遅さに、

ーー早く動いて!!ーー

と、願ってしまう。







ーーあっ!俊!!きたっ!!!ーー




急いで玄関を飛び出す。真っ先に俊の元へ

行きたくて行きたくて…

玄関の鍵を忘れる程。